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(中編)所有欲求へのアプローチを再学習してみたら、自分の知識が失われていることに気づいた… 2/7

 

今日のブログの内容を見ると・・・

【ゴマすり】への印象が変わります。

 

前回の続きなので、ちょこっと復習から。

所有欲求へのマーケティングのうち

いくつかある所有欲求の中で次の4つを再学習中。

①時間 ②労力 ③思考力(感情含む) ④人間関係

 

前回はそのうち

①時間 ②労力

をまとめましたが、いかがだったでしょうか?

 

今日はその続き

③思考力(感情含む)について。

具体例として、

「自分をマーケティングし、出世に活用するにはどうしたらいいのか?」

をまとめていきたいと思います。

 

 

それではさっそくいきましょう。

 

    あなたは上司の思考力(感情)を守るために何ができるでしょうか?

 

近年の脳科学や心理学では、

人間の思考力や感情はバッテリーのようなものとして考えられています。

朝起きたときが一番充電されていて

日中活動するにつれて徐々に減少していきます。

 

あなたの周りでもいませんか?

朝は機嫌が良いけど、夕方になると機嫌が悪くなる人。

これは思考力が低下しているがゆえに、脳の自制機能がうまく働いていないわけです。

では、上司の思考力を守るにはどうしたらいいのでしょうか?

 

 ・集中環境を確保する(守る)

 ・マルチタスク(同時に複数のタスクを行う)にならないようにする

 

集中環境やマルチタスク対策は

有能な上司であればすでに実施しているかもしれません。

もしすでに実施しているなら、あなたは邪魔をしないだけでOK。

上司の集中が途切れないよう、仕事の質問は都度ではなく、

上司の手が空いたタイミングでまとめて行うなど。

 

ちなみに、

今日からすぐに、(ほぼ)誰でも実施できる方法がありますが、何だと思いますか?

 

それは、連絡は電話ではなく、メールやLineを活用することです。

電話のように、こちらの要件を確認、回答するタイミングを強制するツールはなるべく避けましょう。

それだけで、集中を邪魔する可能性が激減します。

と、なんとなく思考力を守るはわかりますが、感情を守るってどういうことでしょうか?

 

 

認知療法で使われるアクセプタンスという方法を使います。

アクセプタンスとは、ざっくりいうと受け入れるということです。

人は感情と行動に不一致が発生すると、感情が乱れ思考力のリソースが激減します。

 

例えば

どうしても合わない(正直嫌いな)人がいて

取引先の責任者だから、ご機嫌を取らないといけない場合を想像してみましょう。

嫌いという感情と、

ご機嫌をとるという行動(本来嫌いな人には取らないであろう行動)では

感情と行動に不一致が発生します。

(想像するだけで、いやぁ~な気持ちになりませんか?)

 

これが感情と行動の不一致です。

不一致が発生すると感情が乱れ、思考力のリソースが激減します。

 

上司の感情を守るためには

まずは、上司の感情と行動の不一致を見つけてください。

結構簡単に見つかります。グチや妬みを言っていたらそれです。

 

次にやることは、2パターンあります。

 ・感情を認めて、行動の理由を作る

 ・感情を認めて、行動をかわりに行う

 

まずは良くありがちなNGパターンから行きましょう。

それが、感情を否定して、行動を要求するというパターンです。

 

嫌な気持ちを理解しやすくするために

あなたが上司に相談した場合で考えてみましょう。

{取引先の人が合わない(嫌い)。ご機嫌取りに行きたくない。}

 

すると上司からこんな回答が返ってきます。

「仕事なんだから、合わないとか言わずに、ご機嫌をとってこい」

嫌ですね。すごく嫌です。

この嫌だというのは、感情と行動の不一致が解消されていないがゆえに発生します。

では、感情を認めて行動の理由をつくるパターンだとどうなるでしょうか?

 

「確かに、あの人と合わないっていう人は多いし、実は自分も合わないと思っている。

 そんな取引先にいくは嫌だよね?

 みんな合わない人をあなたがコントロールできたら、成長に繋がるんじゃない?」

どうですか?

しっくりこないでしょ?

 

そうです。ほとんどの方がしっくりこないと思います。

なぜでしょうか?

 

問題は後半、理由付けの部分にあります。

復習もかねて、この一文は、なんの本能にアプローチしているでしょうか?

「みんな合わない人をあなたがコントロールできたら、成長に繋がるんじゃない?」

 

そうですね。前回ご紹介した「進捗」の本能です。

つまり、進捗の本能が強くない人に対して、

進捗の本能にアプローチする理由付けをしても効果が得られない、

むしろかえって逆効果になることすらあります。

(きれいごとや正論を言ってくるなって思いませんでした?)

 

 ・感情を認めて、行動の理由を作る

これを実践で使用し、効果を発揮するためには

相手の行動の理由(本能)を理解していなければいけません。

それって難しくないですか?

 

難しいので簡単にしましょう。

 ・感情を認めて、行動の理由を作る

ではなく

 ・感情を認めて、行動の理由を確認する

これだけでOKです。

 

実は行動の理由を確認するだけで、相手は勝手に自分の本能にアクセスし

本能に沿った理由を思考してくれます。

「確かに、あの人と合わないっていう人は多いし、実は自分も合わないと思っている。

 そんな取引先に行くのは嫌だよね?

これまでも嫌だと思いながら行ってくれていたと思うけど、

その時はどんな思いで行ってくれていたの?」

 

こんな感じでしょうか?

あまり良い質問になっていない気もしますが…

(まだ勉強中なので。という言い訳)

 

このように行動の理由を質問によって確認する(視点をあてる)ことで

こちらから理由を言い当てなくても、相手は自ら理由を作ってくれます。

(専門用語では、アドバイスシーキングというそうです。なるほど。)

これなら、共感力の乏しい僕でもできそうです。

 

これで2パターンのうち一つができるようになりました。

 ・感情を認めて、行動の理由を作る(行動の理由を質問により確認する)

 

次に、もう一つの ・感情を認めて、行動をかわりに行う をやっていきましょう。

 

こちらについては、詳細な説明は不要かと思います。

感情を認めたうえで

自分ができる行動であれば、かわりに実践してあげれば良いだけです。

「確かに、あの人と合わないっていう人は多いし、実は自分も合わないと思っている。

 そんな取引先に行くのは嫌だよね?

 かわりに僕が言ってこようか?

 また再チャレンジします!って、なったら声かけてくれたらいいから。」

 

行動をかわりに行うのは、それほど難しくは無いですね。

 

 

このように、相手の所有欲求の一つ「感情を守る」に

アプローチしてみてはどうでしょうか?

 

長くなったのでまとめると

ステップ1 相手の感情と行動の不一致を見つける。

※グチとか妬みを聞いたらチャンス!

ステップ2 次のどちらかのアプローチをとる

 ・感情を認めて、行動の理由を作る(行動の理由を質問により確認する)

 ・感情を認めて、行動をかわりに行う

 

ちなみに、有能な上司の仕事(行動)をかわりに行うのは

無理な場合がほとんどだと思います。

そんなときはどうしますか?

 

そう。感情を認めて、行動の理由を質問によって確認しましょう。

 

これは完全に余談ですが

ゴマすりが上手な人はこれを実践しています。

だから上司から好かれ、出世するわけですね。

 

あ、誤解がないように言うと、

ゴマすりは好かれているから出世するわけではないです。

好かれる能力があるから出世します。

 

耳にしたことありませんか?

「ゴマすっているだけで、たいした仕事もしていないのに出征しやがって。」

みたいな発言。(僕も昔は言っていました)

 

これはただの妬みですね。

 ・ゴマをする能力もない、でも出世したい人が妬んでいる

 ・ゴマをする対象が自分でないことへの妬み

ちなみに

僕の本能は、前回の「進捗」が強いので、出世欲も強いです。

にも関わらずゴマすりが苦手なので、妬んでいました。

でも、会社としてはゴマすりを出世させるのは当然だと思いませんか?

 

なぜなら

多くの場合、出世したら組織を管理する立場になります。

管理職に求められる能力は

個人で成績を上げる人間ではなく

組織の成績を上げられる人間です。

 

この時、ゴマすりが出来る人、

つまりこれまで上司に対して自分をマーケティングできていた人は

ゴマすりの対象を部下に向けるだけで、組織運営が潤滑に進みます。

 

「仕事なんだから、合わないとか言わずに、ご機嫌をとってこい」

なんて、部下にゴマをすれる上司は言わないですからね。

 

昔は僕もゴマすりしている人を妬んでいましたが

今では尊敬しかありません。

日常的に「感情を守る」を実践しているマーケティングのプロなので。

だから、僕の中ではゴマすりの語源も変更しようと思います。

ゴマすりの語源?

 

ネットで「ゴマすり 語源」と調べると次のような回答が来ます。

ゴマすりの語源は、ゴマをすり鉢で擦る際に、ゴマすりこぎ棒に張り付いたり、至るところに飛んでいってくっついてしまったりする様子が、「自身の好き嫌いを問わず、利益さえあれば目上の人の機嫌を取ろうとして張り付く人」と似ていることからきています。

 

これは妬んでいた過去の自分の中にあったものと完全に一致します。お恥ずかしい。

これからの語源はこうです。(調理師視点)

 

ゴマすりとは、組織の能力を引き上げる能力を指す。

すられたゴマは、他の食材の味を引き立たたせ、料理の完成度を高める効果がある。

また、ゴマの成分は50%が油分であるがゆえに、食材の角を落とし、他の食材とのつなぎの役割も果たす。

つまり、ゴマすりとは、他者の能力を引き立たたせ、組織の完成度を高め、組織の潤滑油を生みだせる能力者のことを指す。

 

いかがでしょうか?少しはゴマすりの印象が変わりましたか?

出世しそうでしょ?

 

あなたも出世に繋がるゴマすり(感情を守る)能力を

身につけてみてはいかがでしょうか?

 

 

と、いうことで長くなってきたので、今日は以上とします。

次回は所有欲求へのマーケティング④人間関係についてとなりますので

興味がある方は、遊びに来てください。

 

それではまたノシ